ラベンダーは鮮やかで美しい紫色の花と優雅な香りを持つ「ハーブの女王」。
ラベンダーの花言葉は「沈黙」「清潔」。
ここ数年、プロヴァンスのラベンダー畑は特に外国からの観光客に人気の観光地となりました。世界的に人気となったラベンダー畑ですが、何故かフランス人にはあまり知られていないそうです。
ラベンダーは伝統的にハーブとして古代エジプト、ギリシャ、ローマ、アラビア、ヨーロッパなどで薬として、あるいは調理に利用され、芳香植物としてその香りが活用されてきました。 古代ローマの人々は洗濯に用いたり、浴用香料として疲労や硬くなった関節を和らげるために利用したといいます。
栽培地フランスなど
世界的に有名な生産地はフランス南東部のプロヴァンス地方で、伝統的にその多くの地域で商品作物として栽培され、ラベンダー畑が多数あります。
ラベンダーの栽培は1930年代に本格的に行われるようになりますが、それ以前は野生種の刈り取りがほとんどでした。1925年頃から伝統的に野生種の刈り取りを行ってきた地域は(アルプ=ド=オート=プロヴァンス県のヴァランソール高原、ローヌ渓谷沿いの低地地帯、ヴォクリューズ県ー、ヴァルレアヌス地方、カルパントラ、アプト周辺などのローヌ川流域です。
いくつかの種類のラベンダーは、プロヴァンスでなくてもパリの公園や他にもいたるところで見ることができます。しかし、ラベンダー畑のほとんどは南フランスのプロヴァンス地方にあります。中でも、Luberon、Valensole Plateau、Sault Plateauの3つのエリアがラベンター畑として有名です。
Luberon高原はその中心にあるGordes、Lourmarin、Bonnieux、Banonなどの美しい街で有名です。ラベンダー畑の規模は小さめですが、Valensole or Saultほど混み合っていないのが特徴です。7月半ばがシーズンです。
ソーでは毎年夏の一日に「ラベンダー祭」が催され、ラベンダーを用いた様々な製品が通りに並び、普段は人口3000人位の村に世界各地から2万人ほどの観光客が訪れます。
日本で
日本では北海道の富良野地方のラベンダー畑が世界的にも知られ、上富良野町、中富良野町、ニセコ町のシンボルとしても指定されています。栽培発祥地は、札幌市南区南沢で、1942年に栽培が開始されました。
利用
ラヴァンドラ属は、ポプリの材料、ハーブティー、料理の風味付け、化粧水などの美容、観賞用(鉢植え)等々に利用されてきました。また古くから、多くの薬効を持つハーブとして利用されてきました。
南フランスでラベンダーは伝統的に様々な用途に利用され、エルブ・ド・プロヴァンスというラベンダーを含むハーブミックスが広く知られていますが、これはスパイス業者が作ったもので、伝統的な南仏のプロヴァンス料理でラベンダーは用いられません。
フランスでは、乾燥させた花を小さな布袋に入れた一種のサシェ(香り袋、匂い袋)があり、それを洋服箪笥に入れたり、ワードローブの中に下げておいたりして、香りを衣類に移したり防虫剤として利用します 。
ラベンダーとLavandinの違いとは
ラベンダーの中でも種類がたくさんあり、用途によって使い分けられています。プロヴァンス地方の主要な品種は2つで、1つ目は「lavande vraie(真正ラベンダー)」もしくは「lavandula angustifolia」、2つ目は「lavandin (もしくはlavandula intermedia)」と呼ばれています。
Lavande vraieはプロヴァンス地方の700mを超える高い所にある丘でのみ栽培されており、その高品質のエッセンシャルオイルは化粧品や香水に利用されています。Lavadinはプロヴァンスの600m以下の低いところで栽培される、ラベンダーとのハイブリッドタイプです。Lavande vraieのオイルは繊細な香りが特徴で、一方Lavadinはより強い香りのアロマを持っています。Lavande vraieのエッセンシャルオイルには様々な効能があり、防腐性および抗炎症性、また頭痛や不安、不眠、痛み止め、肌荒れの鎮静などに役立ちます。
ラベンダー美術館 MUSEE DE LA LAVANDE LUBERON- 276 Route de Gordes -CS50016- 84220 COUSTELLET |